66

make your own way

【マリッジ・ストーリー】アカデミー賞受賞作品をみて考える結婚生活

 

たいそうなタイトルを書いてしまいましたが、私は未婚の26歳です。

 

今回、鑑賞した作品は、アカデミー賞作品賞受賞作品である、

 マリッジ・ストーリー

マリッジ・ストーリー

マリッジ・ストーリー

 

 

 本作品は「スターウォーズ」に出演していたカイロ・レン役のアダム・ドライバーと「シェフ」にウェイター役で出ていたスカーレット・ヨハンソンが夫婦役で共演するということで興味がありました。そしてアカデミー賞作品賞受賞作品であり、音楽は「トイストーリー作品」で有名なランディ・ニューマンとあって期待に胸膨らませながら鑑賞しました。

 

あらすじ

女優のニコールと夫で舞台演出家のチャーリーが結婚生活に葛藤を抱え、離婚に向かっていく姿を描いたヒューマンドラマ。結婚生活がうまくいかなくなり、円満な協議離婚を望んでいた2人だったが、それまで溜め込んでいた積年の怒りがあらわになり、弁護士をたてて争うことになってしまう。

引用:https://eiga.com/movie/91605/

 

 この映画では、仲睦まじく幸せに愛を育む理想的な夫婦のシーンは一度もありませんでした。最初から最後まで離婚のプロセスの過程であるという斬新な視点の作品は見たことがなかったので、アカデミー賞作品賞受賞も少し納得がいきます。

 

 真逆の性格に惹かれあった二人は、結婚生活を送っていく中で、日常のストレス、すれ違い、言葉の認識のちがい、仕事へのスタンスなどの違いによるわずかな綻びによって、縫い直すことのできない破れへと発展してしまう。

 

 こういうことは夫婦ではあるんだろうと深く考えさせられた。

 昔であれば、夫が仕事、妻は家事で自動的に演じる役が決まっていたが、共働きの時代の今は、職務内容、勤務地、子育てへのスタンスなど様々な綻びの原因があり、それを容認しながら生活していくのはどちらかが妥協しなくてはマリッジストーリーを続けることなどできないのではないか、とまで考えてしまう。

 

 終始描かれる二人の姿は、100%相手のことが嫌いというわけではない。

 

 尊敬できる部分や感謝している部分があることを理解しつつも、些細なことの積み重ねがバケツから溢れ、離婚という目的を果たすために行動している夫婦となってしまった。そして親権を巡り、弁護士の仲介もあってややこしくなってしまい、当初であれば、話し合いで解決できた問題が取り返しのつかないことになってしまう。夫婦が後からそれに気づき、弁護士を立ててしまった状況でなにをどう相手に話していいのかもわからなくなり、悩み苦しむ二人の姿には心が痛かった。

 最近、恋愛ものの映画を続けてなぜか見てしまっているが、理想的なエンディングを迎えることがほとんどない。これは今の時代を表しているのだろうか。

 

 仲睦まじく生活している映画の中の夫婦でさえ、本当の夫婦を描いていないのではないかと疑心暗鬼になる始末。

 

 この映画をみて思い出したのが「ラ・ラ・ランド」だ。

 

ラ・ラ・ランド(字幕版)

ラ・ラ・ランド(字幕版)

  • 発売日: 2017/08/02
  • メディア: Prime Video
 

 

 ラ・ラ・ランドを見終わった直後は、自身のその時の状況ともトレースされ、

「なんだその終わり方、それで幸せでいいのか、なんで主人公は最後にほほ笑えめたの」

と学生時代の私は思っていた。

 

 しかしこの作品を見終えた今の私の感想は違う。あの終わり方が一番良かったのかもしれないと。

 

 ラ・ラ・ランドカップルが結婚したあとのストーリーがマリッジ・ストーリーに見えてくる様な不思議な感覚があった。

 

 それは自分の大事にしたいと思っている内なる思いや夢を叶えるためであり、さらに相手を尊重した故の結論であるからこその決断だったからであろう。誰も自己中な別れ方をしているわけではない。

 ニコールが「LAに行きたい」ということを強く望んでいたものの約束が仕切れなかったのは、NYで活躍している新進気鋭の旦那を支えようと彼女なりにしてきたもののストレスが溢れたのだろう。そしてチャーリーは監督として、女優であるニコールを成功させてずっと同じ未来を描くことを夢見ていたからこそ、妻であるニコールに上手く接することができなかったのだろう。

 

 後味はかなりビターであるが、遠くを見るとまた光が見える様な作品だった。

 甘い恋愛映画で浄化されたい。笑

 

 

マリッジ・ストーリー

マリッジ・ストーリー

 

 

 余談だが、自粛生活を送る様になって、ようやくNetflixが生活の一部に組み込まれ、作品を選ぶ時にも悩むことがなくなった。以前はレビューなどをみてこれは自分に合わなそうだな、時間の無駄になりそうだなとか考えているうちに時間が経ち、

「え、1時間経ってるじゃん・・寝よう・・」

というクズっぷりをかましていた。いまは「見てみるか、一ヶ所でも響けばいいや」と心もち軽くみることができる様になりました。

 ただそれは自粛生活だからといって「無限に時間がある様に感じるから、Netflixを見よう」というわけではなくて、「映画から学ぼう」という意識が常にあるからだろうと思います。